軟X線レーザー


2準位系を考える。 低い方の準位を1、高い方の準位を2とし、エネルギー差をω12とする。

量子電磁力学によると、この系に振動数がちょうどω12の光が進入したときに状態1から状態2に遷移する確率W12と状態2から状態1に遷移する確率W21が等しいことが示されている。 前者は誘導吸収確率、後者は誘導放出確率とよばれる。

状態1の占有密度をn1、状態2の占有密度をn2とする。 系全体が吸収するエネルギーは

a = (n1-n2)W12ω12
である。 熱平衡状態にあるとき各占有密度はBoltzmann分布をするので
1 > n2
であり、光は吸収される。 しかしながら、何らかの方法で
1 < n2
(これを反転分布という。) が達成されると光の増幅が行われる。 これがレーザーである。

励起準位からの自然放出によるエネルギー損失は光子エネルギーω12の3乗に比例する。 したがって、短波長レーザーを励起するためには非常に大きなエネルギーが必要となる。


参考書

  • 一丸節夫:「プラズマの物理」、産業図書
  • 宅間宏:「量子エレクトロニクス入門」、培風館

課題

  • レーザー媒質の単位長さあたりの増幅率をGとすると距離xのところで
    exp Gx
    の増幅が得られる。 長さLの一様媒質から一様な自然放射ある場合、出力が
    A = (exp GL - 1)/GL
    となることを示しなさい。
  • いろいろなGL積の値について、出力Aを計算しなさい。
GL
5
10
15

Email: Keiichi Takasugi