斜入射分光器を用いた極端紫外分光


高温プラズマ中の多価イオンからは波長が100 nm以下の極端紫外光が放射される。 この領域の光は物質との相互作用が強く、物質中では強く減衰するため真空を必要とし、真空紫外光ともよばれる。 短い波長と物質との相互作用の強さは、新たな素材や素子の開発においてたいへん魅力的である。 しかしながら、屈折光学系を組むことができず、反射光学系だけで光を操作する必要がある。

極端紫外光を収束させる方法として、ガラス表面での浅い角度の反射を用いることができる。 この応用として、束ねたガラス毛細管を用いる方法、およびガラス単管を曲げた Wolter 鏡がある。 また、重元素と軽元素を交互に蒸着することによって、任意の格子定数をもつ擬似的な結晶構造をつくることができ、X線鏡として用いられる。

細かな刃(ブレーズ)を並べたものは反射型の回折格子として用いられる。 この回折格子の反射条件は、回折格子の法線に対する入射角をα、反射角をβとすると

sinα - sinβ = mλ/d
である。 ここでdはブレーズの間隔、λは光の波長、mは反射の次数である。 αとβを大きくとれば短波長の光を捉えることができ、このようなものは斜入射分光器とよばれる。

参考書

  • 山口一郎:「応用光学」、オーム社
  • 久保田広:「応用光学」、岩波書店

課題

  • 1 mm に1000本のブレーズを刻んだ回折格子を用いて次のような光の分光をしたい。 m = 1とするとき、αとβを決定しなさい。
    • He-Ne レーザー(633 nm)
    • Ar イオンレーザー(515 nm)
    • N2 レーザー(337 nm)
    • KrF レーザー(248 nm)
    • ArF レーザー(192 nm)
    • Ar IV 光(46.7 nm)
    • N VII 光(13.4 nm)

Email: Keiichi Takasugi