パルスパワーと電磁加速


エネルギーを時間的・空間的に圧縮して瞬時大電力・高エネルギー密度を得る技術あるいは装置のことをパルスパワーという。

電気エネルギーを蓄積する方法として、容量性蓄積法と誘導性蓄積法がある。 前者は定電圧源であり、スイッチを閉じることによってエネルギーを取り出す。 Marx発生器で高電圧を発生し、低インダクタンス中間コンデンサーを用いて大電流化できる。 後者は定電流源であり、スイッチを開くことによってエネルギーを取り出す。 短絡放電によって大電流を流しておき、スイッチを開くことによって高電圧を発生させる。 開放スイッチにはヒューズやプラズマオープニングスイッチがある。

伝送線路トランスを用いることにより、インピーダンス変換をしたり電圧や電流をたし合わせることができる。 パルス電源をモジュール化して加算し、大きな電源を実現するものをLTD (Linear Transformer Device)という。

ライナー圧縮およびレールガンはともに電磁加速を利用したものである。 電磁加速器においては原理的に速度に制限はなく、超高速加速が可能である。 レールガンにおける飛翔体の運動方程式は

Mdv/dt = d/dz(1/2 LzI2) = 1/2 LI2
ここでMは飛翔体の質量、Lは線路のインダクタンス、Iは電流である。 またvとzは飛翔体の速度と位置である。
v = I√(Lz/M)
と求められ、レールの長さを長くとれば大きな速度が得られる。

参考書

  • 秋山秀典 編著:「高電圧パルスパワー工学」、オーム社
  • 京都ハイパワーテクノロジー研究会:「パルスパワー工学の基礎と応用」、近代科学社

課題

  • 第1宇宙速度および第2宇宙速度を求めなさい。 なお、第1宇宙速度は人工衛星が地表すれすれに周回するときの速度、第2宇宙速度は地球の脱出速度である。
  • 1 kgの物体を第2宇宙速度に加速したとき、この物体の運動エネルギーを求めなさい。
  • レールガンによってこの加速を行うとき、レールガンに必要なパラメーターを考えなさい。

Email: Keiichi Takasugi