伝送線路


単位長さあたりのインダクタンスL、キャパシタンスCからなる分布定数回路について考える。 この回路の微小な長さdxの部分を取り出して四端子回路とし、振動数ωで振動する電圧Vと電流Iの関係を求める。 線路の入力と出力での電圧および電流の変化に対して
-dV = iωLdxI
-dI = iωCdxV
の関係が成り立つ。 これから波動方程式
2V/dx2 = -ω2LCV
2I/dx2 = -ω2LCI
が得られる。
2 = ω2LC
とおくと
V = -V0±ikx
I = -I0±ikx
のように求められる。 ここでVとIはωで振動するので
V’= -V0i(ωt±kx)
I’= -I0i(ωt±kx)

振動の位相が一定であるような面が波面であり、波面が進む速度は

u = ω/k = 1/(LC)1/2
である。 また電圧と電流との比
0 = V/I = (L/C)1/2
が線路の特性インピーダンスである。

次の3つの伝送線路について、単位長さあたりの容量、インダクタンス、インピーダンスおよび伝送速度を示しておく。 (ただし、導体内部の自己インダクタンスは無視している。)

  • 横幅w、間隔dの平衡平板線路
  • 中心導体の半径a、外部導体の半径Rの同軸線路
  • 半径aの導線を間隔Dで並べた平行線路
線路平行平板同軸平行導線
容量 [F/m]εw/d2πε/ ln(R/a)πε/ ln(D-a/a)
インダクタンス [H/m]μd/wμln(R/a)/2πμln(D-a/a)/π
インピーダンス [Ω](μ/ε)1/2d/w(μ/ε)1/2ln(R/a)/2π(μ/ε)1/2ln(D-a/a)/π
伝送速度 [m/s]1/(εμ)1/21/(εμ)1/21/(εμ)1/2

真空中では伝送速度は

u = 1/(ε0μ0)1/2 = 3.00×108 [m/s]
であり、真空のインピーダンスは
0 = (μ00)1/2 = 377 [Ω]
となる。

参考書

  • 内藤喜之:「基礎電気回路」、昭光堂

課題

  • 次のような伝送線路の単位長さあたりの容量、インダクタンス、インピーダンスおよび伝送速度を求めなさい。ただし導体間は比誘電率3.2の誘電体で満たされているとする。
    • 横幅10cm、間隔1mmの平行平板線路
    • 中心導体の半径1mm、外部導体の半径5mmの同軸線路
    • 半径1mmの導線を間隔1cmで並べた平行線路

Email: Keiichi Takasugi