Zピンチの収縮過程


中空円環状のZピンチプラズマ(ライナー)の半径方向の運動方程式は
md2r/dt2 = -μ02/4πr
また、ガスをかき集めながら収縮するガス詰めZピンチ(スノープロ―)の場合、この左辺は
d/dt(mdr/dt) = m0d/dt[(1 - r2/R2)dr/dt]
となる。 次元解析で初期半径R、収縮の特徴的時間をτとすると
τ = √(4πm/μ0) R/I
となる。 数値計算により、収縮時間はライナーの場合1.25τ、スノープロ―の場合0.93τと求められる。

ライナーの場合を考える。 運動方程式の両辺にdr/dtをかけてtで積分すると

m/2 (dr/dt)2 = μ02/4π lnR/a
これが半径Rからaに収縮するときに入力される運動エネルギーである。 このエネルギー入力は空間の変化が重要であり、時間に依存しない。

LCRからなる回路モデルを考える。 回路方程式は

dr/dt(LI) + RI = V
ここでコンデンサーの電圧Vは初期電圧V0を用いて
V = V0 - 1/C ∫Idt
と求められる。 回路方程式を積分すると、インダクタンスは
L = 1/I ∫(V - RI)dt
と求められる。 インダクタンスLは線路とプラズマのインダクタンスの和であるが、この変化分はプラズマの半径収縮によるものである。 プラズマに入る電力は
P = VI - RI2
によって求められ、この時間積分が入力エネルギーである。 入力エネルギーの大部分は磁気エネルギーに蓄えられるため、正味の加速エネルギーは
W = ∫Pdt - LI2/2
と求められる。

参考書

  • 横山昌弘:「プラズマ理工学」、日刊工業新聞社

課題

  • Zピンチの半径収縮について考える。 電流I = 105 [A]、初期半径R = 10-2 [m]、収縮時間τ = 10-7 [s]のとき質量はいくらか。
  • Zピンチに注入されるエネルギーについて考える。電流I = 105 [A]とする。
    • 半径R = 10-2 [m]からa = 10-3 [m]に収縮するときに入力される運動エネルギーはいくらか。
    • 温度T = 10 [eV]でZ = 3程度のプラズマでは電気抵抗率はη = 5×10-5 [Ωm]である。 円環プラズマの半径R = 10-2 [m]、厚さa = 10-3 [m]のとき、時間τ = 10-7 [s]の間に入力されるエネルギーはいくらか。

Email: Keiichi Takasugi