プラズマの輸送


輸送とは粒子や熱が運ばれる現象であり、拡散や対流、放射による輸送がある。 ここでは粒子の拡散について考える。 拡散はランダムな衝突を通しておこる粒子の平均的な流れである。

粒子の流れをΓ (= nv)とする。 一般に、Γは密度勾配に比例する。

Γ = - D∇n
Dは拡散係数である。

流体の運動は定常状態において

mn dv/dt = qnE - ∇p - mnvν = 0
これから
v = q/mν E - kBT/mν ∇n/n
ここで、μ = |q|/mνは移動度、D = kBT/mνは拡散係数である。

プラズマは少なくともイオンと電子の2種類の粒子で構成される。 拡散はそれぞれの粒子について考える。

Γi = μinE - Di∇n
Γe = -μenE - De∇n
粒子は互いに電気的な力を及ぼすため、一方だけが単独で拡散することはできない。
Γi = Γe
これが両極性条件であり、このとき電場は
E = (Di - De)/(μi + μe) ∇n/n
また、拡散係数は
a = (μie + μei)/(μi + μe)
となる。

連続の式より拡散方程式が得られる。

∂n/∂t = - ∇・Γ = D∇2
変数分離を行う。 n(r, t) = T(t)R(r)とおくと
1/T ∂T/∂t = D/R ∇2R = -1/τ
ここでτは閉じ込め時間である。 空間的には
1/R ∇2R = -1/Dτ
これを解くことによって空間的な密度分布がわかる。


参考書

  • 武田進:「プラズマの基礎」、オーム社
  • F.F. Chen:"Introduction to Plasma Physics and Controlled Fusion"、PLENUM

課題

  • いろいろなプラズマについて、粒子の飛散時間L/viと拡散による閉じ込め時間τを求めなさい。 プラズマのサイズはL = 0.1 [m]とする。
プラズマ n [m-3] e [eV] i [eV] i [m/s] L/vi [s] νei [s-1] i [m2/s] τ〜L2/Di [s]
グロー 1016 1 0.2
アーク 1024 1 1

Email: Keiichi Takasugi