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ソリトン

自然界は非線形現象で満ちあふれていて、非線形性が本質であるような現象も多い。 ソリトン(孤立波)はそのようなものの代表で、海辺の浅水波などがその例である。 イオン音波ソリトンの研究には鷲見、谷内、池地の3人の日本人がかかわっており、その後の非線形ブームのさきがけとなった。 イオン音波ソリトンの形成には運動方程式における対流項が重要な役割を果たす。 各変数を摂動展開し、2次の項まで考慮することによって次のKorteweg-de Vries 方程式が得られる。

\begin{displaymath}
\frac {\partial u}{\partial \eta} + u\frac {\partial u}{\partial \xi} + \frac 12 \frac {\partial^3 u}{\partial \xi^3} = 0
\end{displaymath}

ここで$\xi$は音速で移動する座標、$\eta$は分散効果を表わす座標である。 この解は

\begin{displaymath}
u(z) = \frac {3a}v {\rm sech}^2 \left( \frac a{2v^3} \right)^{1/2} (z - z_0)
\end{displaymath}

ただし $z \equiv v\xi - a\eta$$v (> 1)$はMach数である。 ここで$a$は波の速度の音速からの増分を表わすパラメータで、振幅は$a$に比例し、波束の広がりは$\sqrt{a}$に反比例する。



Keiichi Takasugi
平成24年1月12日