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二乗平均誤差の残差からの算出

実際には真の値 $Z$ は知ることができず、最確値 $\bar{z}$ との差である残差 $\rho_i$ が求められるので、二乗平均誤差 $\sigma$$\rho_i$ を用いて表す必要がある。

測定値 $z_i$ に対して、最確値は

\begin{displaymath}
\bar{z} = \frac 1n \sum_{i=1}^n z_i
\end{displaymath}

残差は

\begin{displaymath}
\rho_i = z_i - \bar{z}
\end{displaymath}

である。

\begin{eqnarray*}
\xi_i & = & z_i - Z \\
& = & \rho_i + \bar{z} - Z \\
& = & \rho_i + \delta
\end{eqnarray*}

と表すことができるので、

\begin{displaymath}
\xi_i^2 = \rho_i^2 + 2\delta \rho_i + \delta^2
\end{displaymath}

和をとると、

\begin{displaymath}
\underline{\sum_{i=1}^n \xi_i^2} = \sum_{i=1}^n \rho_i^2 + ...
...=}}
\put(-50,-40){\color{red} 0}
\end{picture}
\vspace{1cm}
\end{displaymath}

ここで最確値の誤差の二乗 $\delta^2$ は、確率的にはその平均値 $\sigma_m^2$ とみなせる。

\begin{displaymath}
\delta^2 \approx \sigma_m^2 = \frac {\sigma^2}n
\end{displaymath}

したがって、

\begin{displaymath}
n\sigma^2 = \sum_{i=1}^n \rho_i^2 + \sigma^2
\end{displaymath}

これから

\begin{displaymath}
\sigma^2 = \frac 1{n - 1} \sum_{i=1}^n \rho_i^2
\end{displaymath}

これは $n = 1$ のときには発散してしまうことから、ただ1回の測定では統計的なばらつきについて何も言えないことを意味している。

測定値の二乗平均誤差は

\begin{displaymath}
\sigma = \sqrt{\frac 1{n-1} \sum_{i=1}^n \rho_i^2}
\end{displaymath}

最確値の二乗平均誤差は、

\begin{displaymath}
\sigma_m = \sqrt{\frac 1{n(n-1)} \sum_{i=1}^n \rho_i^2}
\end{displaymath}

となる。



Keiichi Takasugi
平成24年2月9日